自然倍音とは何でしょうか?

純正律とは?(2)

こうしてテンペラメント(=整律)が開発されます。

純正律の音を少しずつテンパー[temper=整える]して、

つまり少しずつずらすことによって、耐え難い不協和音を

なるべく減らし使える和音を増やそうとしたのです。

例えばピエトロ・アーロンの中全音律や、ヴェルグマイスター、

キルンベルガー、ヤング、ラモーの整律などが有名です。

ただしあくまでも耳で聞いて音を調整するのですから、

基本的には耳で聞いて心地よい和音が尊重されていました。
 
ところが最終的に西洋が到達した12等分平均律は、

1オクターヴを平均に12に分けるという整律ですが、

耳で聞いた和音の美しさより、正確に平均に分けるために

算出された2の12乗根という数値を優先させます。

その結果、すべての和音が使えるようになった代わりに、

純正律の美しい響きは失われ、オクターヴ以外のすべての

和音が濁ってしまいます。

極言すれば平均律は微妙な不協和音だらけの整律と

言えましょう。

なお大バッハが使っていたのはこの平均律ではありません。

長い間バッハは平均律を使っていたという誤った見解が

支持されてきたので、18世紀には 平均律が普及していたと

思われてきましたが、現在では早くても19世紀に入って

からではないかと言われています。

おそらく19世紀末という、絶対音感が設定され、

正確に音を測定する機器ができ、平均律に合わされた

ピアノという楽器が大量生産され世に広まった時代に、

この平均律の専制は決定的になったものと思われます。

黒木朋興氏より

素養のない私はあまり聞きなれないことがあるのですが、

和音の美しさを多くの歌声を通して幸せを感じていますので

学ばせて頂きたいと思います。

by 心とからだのカウンセラー

NPO法人 純正律音楽研究会 【転載承認】
 

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